少し前に「長期目線で投資を考える!手っ取り早く儲けようと思ってはいけない」という記事を書きました。

これを見たら、私たち個人投資家は長期投資の方が良さそうだけど、そしたら、長期投資で、どれくらい期間、どんなやり方でどんな銘柄を選べばいいのという方もいるのではないでしょうか。
そんな人のために、以下に私が考える長期投資についてまとめてみました。
長期投資の期間は?
本当は、いい会社の株を買って、その株が成長し続けるのであれば、わざわざお金のなる木を売る必要がないと個人的には考えます。よって、一定期間に区切って投資するスタンスではないです。これこそが本来の長期投資と思います。
ただそれでは、お金をずっと寝かせたままで引き出せない状態になります。しかし、生活をしていく中で、お金が必要となってくるタイミングもありますよね。そんなこともあるので、無期限にお金を寝かせておくのも現実的ではありません。
現実的に長期投資の期間を考えるとすると、もちろん人により意見は違うかと思いますが、私だったら少なくとも5年以上かなと思います。
人によっては、1年以上を長期という人がいるかもしれませんが、これはバフェット氏の言葉を借りれば「近視眼的」かなと思います。
長期投資のやり方
それでは、ここからは長期投資について少しずつ踏み込んで見ていきましょう。
余剰資金で運用する
まずは、長期投資に関わらず、投資に対する基本的なところですが、投資は余剰資金でしましょう。
例えば、3ヶ月までにいくらにするお金がいるから、投資でお金を増やそうと思っても、そんなことがうまくいくほど、投資は甘いものではありません。ましてや、こういったプレッシャーを抱えて投資をしていては、精神的にすで他の人よりハンデを持っているのと同じです。
たまたま運よくうまくいくこともあるかもしれませんが、こんな投資をしていてはいずれ失敗するでしょう。
一方、余剰資金で投資をしていれば、運悪く下落相場に巻き込まれても、(かなりの忍耐力が必要ですが)相場が回復するまで、数年でも待つことが可能です。
自分の目標、ゴールを設定する
次に投資での自分の目標、ゴールについて考えて見ましょう。
例えば、100万円で投資をはじめて、10年後1000万円にしたい!もしくは、100万円が5年後150万円にでもなってくれたらうれしいなとか。
子供の教育資金に500万円は必要、老後までに2000万円が必要。自分の年齢や、ライフステージに合わせて考えてみてもいいですね。
複利で増やす
長期投資の最大のメリットは、複利の力を利用できることです。複利の力は自分が思っている以上に効果を発揮します。
例えば、先程の例で出した、100万円で投資をはじめて、10年後1000万円にしたいという話を見ていきたいと思います。この目標に対して、月々余った生活費から5万円を追加投資するというアクションを加えると、かなり現実的に数字になってきます。

これが複利の力です。自分にとって1000万円は遠い世界に思っていた人も、これなら自分でも実現可能ではと思ったのではないでしょうか。
長期投資の銘柄選び
先程の投資シミュレーションの場合、年7%成長する会社に10年間投資した場合になります。その場合、この先10年間、売上、利益が安定的に年7%成長するような会社に投資すれば、株価も年7%成長が見込めるのではないでしょうか。
例えば、中国株であったら、テンセントやアリババなどの巨大テック企業、プラットフォーマーであったり、公共インフラであるガスの会社だったり、他にもいくつかそんな会社があるのではないでしょうか。


長期にわたり成長できる銘柄に投資する
未来の会社の成長が株価の成長エンジンになります。なので私は成長株にフォーカスして投資しています。
長期投資であれば、結果は5年ととか10年後になります。その時どうなっているかが今どうなっているかより大事です。それは銘柄選びでも同じです。
今いくらいい会社でも、10年後その会社が時代にフォットできず、衰退方向に進んでいたら、そんな会社とても投資できませんよね。
一方、時代に潮流にあったビジネスを展開していて、長期的に見ても、マーケットが拡大し、その恩恵を受けることができる会社なら投資したいですよね。
今後世界がどのようになっていくか、未来について自分で考えて見ましょう。そして、陽が当たる方向にある、長期投資に耐えうる、強固なビジネスを持つ会社に投資するといいのではないでしょうか。
景気の循環にとらわれない銘柄に投資する
長期投資を続けていくと、景気の上げ下げに一喜一憂する場面も出てくるのではないでしょうか。
ここ10年で見てみると、リーマショックから回復し、株価が10年以上も上昇しています。しかし、株価は右肩上がり一辺倒が続くのはあり得ないですよね。
株式相場を見てみればわかります。私はリーマンショックしか経験していないですが、1999年から2000年にかけてITバブルがあったり、それ以前にもバブルがありましたよね。
結局、人が株を買っているので、マーケットの参加者の心理状態によって、株価が乱高下することがあります。
人間なので、株価が上がった方が嬉しいし、下がったら気分も下がるかもしれません。しかし、こんなマーケットにいちいち自分も反応していたら、しんどくないですか?
なるべくそんなところからは距離を置き、景気が良くても悪くても、一貫して売上、利益を伸ばしていける会社に投資すれば、もう少しドンと構えていられるのではないでしょうか。
長期投資で株を売るときは?
投資するといってもいつかは現金化するときがきます。投資をしていて難しいと感じるのは、実は売るときだったりもします。
ここでは長期投資において考えられる売るタイミングを見ていきます。
自分の思い描いた目標、シナリオが達成されたとき
まず考えられるのが、自分の思い描いた目標、シナリオが達成されたときですね。
例えば、ある銘柄に投資して、思い描いた通り株価が2倍になったといったパターンです。その際どうするかは難しですよね。もっと持っていたら3倍になるかも。一方欲張りすぎて利益を減らすパターンもあります。
こういった場合、2倍になった株を半分を売って現金化するのも手です。そうすると、すでに投資金額は回収したので、あとはタダ株になります。残りはどうせタダだからジッと持っていることも可能ですね。
私の経験上、自分が株を売ると、株価は大体上がります。なので、持株を全部売るのではなく、できたら一部は残しておくほうがいいかもです。
基本的には、その会社にまだ成長余力があるのでホールド、今後の成長が厳しい、今が天井付近と思うのであれば売りでしょう。これは、自分でその会社を分析して、判断していくしかないですね。
自分が描いたシナリオから外れたとき
もう一つ考えられるのは、自分が描いたシナリオから外れたときです。
投資した会社の売上、利益が例えば年10%成長を見込んでいたが、業界での競争が厳しくなったり、または政府の規制などが入って、見込んでいたシナリオとは違う結果になってきたという時ですね。
その時は、自分の失敗を認めて、再度投資プランを考えましょう。投資で100%はないです。投資をすれば、成功もあれば失敗もあります。ましてや損切りとなると、なかなか決断しにくいです。
しかし、投資で大怪我さえしなければ大丈夫です。投資の神様、ウォーレン・バフェット氏でも失敗することがあります。それなら私たちが失敗するのも仕方ないですよね。失敗を糧にして、次は成功できるよう、自分の投資をブラッシュアップしてきましょう。
株の儲けは我慢料
投資は簡単なものではないです。長期投資なら、「いい株を買って、バイ&ホールドすればいいだけでしょう」と思っている人もいるのでは。もしそうであれば、実際やってみたらいいと思います。そもそもそれができたら、みんなお金持ちになっています。
邱永漢さんの有名な言葉に「株の儲けは我慢料」というのがあります。まさしくその通りだと思います。
株式投資は買う株を間違えないことも大切ですが、なかなか上がらない間、ずっと辛抱することはもっとずっと大切です。
そのためには、世界を経済を相場を投資先を俯瞰して、今どこにいるのか見る視点が必要ですね。
